今人- Interview of imagine

鈴木 拓也 - Takuya Suzuki
Stylist / Owner

現代社会。人々の暮らしには必要なものが溢れ出している。その反面薄れゆく日々の喜びと大小様々な悩みや問題を抱きつつも月日が過ぎることに生命を繋げていく幸福論。時の流れは誰にでも平等であるが我々は幸運にも恵まれた国で暮らし、便利や当然に依存する私達は何か失われゆく感覚に耳を澄ます「今人- Imagine」の声に耳を傾け、より良い未来を創造、面白くしていく価値観を共有すること。本能的、潜在意識的に独自の活動を展開する人物にインタビューとして話を伺ってみた。



ーまずは自己紹介をお願いします。


鈴木 

ROOST hair design スタイリスト・オーナーです。常陸多賀駅前のサロンで10年以上スタイリストを経験し、5年の店長職を経て昨年、日立市東多賀町に独立開業しました。開業当初はやはり不安でしたが、お陰様で予想以上の成果を達成しています。先日一周年のイベントを開催しお世話になった方々へ感謝の気持ちを伝えることができました。


ー大変転機となる一年だったと察します。そんな中、一方で美容師さんはお客様と一対一での対話が仕事としてあるかと思います。責任と立場が変わる中の10年という時間で感じている雰囲気や変化などあれば教えてください。


鈴木 

僕は生まれも育ちも常陸多賀なんですが、昔からここは熟年層の街という印象はありました。それを踏ま得た上でも率直に若者がいなくなった印象が強いです。いるんですが、いれない。いる場所がない。映画館やクラブなんかもあったんです。でもそれが街の都合で消えていく。勿体無い。そういったのは実際問題として感じますし、若いお客様の声からもどこでどう参加していいのかわからない、コネクションがなければよそ者として淘汰されてしまう、など、そういった話を聞くことはかなり多いです。ある意味でビジネスコンセプトとしてこの地域の資質に固執しない。そのような考え方は今後大事と感じました。この時代に沿った方法で様々な人々が様々な方法でリサーチしているはず。ですので地域密着というよりはあくまでもプライベートサロンとして安心して来店できる雰囲気を心がけています。

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ーなるほど。ですが、地域に存在するアーティストに店鋪設計やデザイン、イベント等での出演オファーなど、積極的に器用しています。その理由は何ですか?


鈴木

同じことです。失礼になりますが、地元の業者にお願いすると、マニュアル通りのデザイン設計になってしまう。実際なってしまった。困りました。そんな中、茨城県の事業でかどやという古民家シェアオフィスに誘致されたアーティストがいると知人から伺っていたのでとりあえず話を聞いてみようと。そんな経緯があります。そこには自転車で全国一周してる途中のスタッフや、レストランシェフ、ミュージシャン、芸術祭のアーティストやキュレーター、ボランティアスタッフなどが出入りしていた空間があなた方のオフィスでした。たまたまでしたがとても面白かったんで色々お願いしたいなと。僕はアートを理解できるかといったらどうかわかりませんが、その方々の考え方や取り組み方など、感覚として共感できました。僕はあくまで美容師なので何か仕事を共有してやっていこうと決めました。実際共に仕事をさせて頂いてからわかったことですが、そういったアーティストの方々との交友関係は、第三者であるお客様や同業者や取引先からするとすごく興味の対象となっているのを感じました。アーティストの方々との交流が店鋪のブランド力になっているのです。驚きました。



ー1周年イベントを常陸多賀のコミュニティスペースCocoonで開催したのもそういった理由ですか?


鈴木

はい。この街でアーティストが集まっている場所だと思っています。一周年イベントに弾き語りでの出演を依頼したあなた方のボス、SINSENさんもCocoonで活動していますし、大家さんの長山さんも知人です。Roostに飾ってある絵画も北茨城地域おこし協力隊の画家、檻ノ汰鷲さんの作品です。SINSENさんからも絵画を預かってます。この取材で僕を撮影してくれている方々の合同写真展「13」も楽しみにしています。


ーありがとうございます!(撮影スタッフ)

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ー見事なまでに完全ご招待のおもてなしパーティでした。


鈴木

もちろんです。お世話になってるお客様、友人、知人に還元したい気持ちでしたので。参加費を取るのはナンセンス。その場は僕が責任を持つ。そしてそこから新しいコミュニティが生まれていくことは嬉しい限りです。イベント当日は長山さん、スタッフさんには大変お世話になりました。またやりたいですね。


ー実際にそのイベントで新しい関係が生まれ、アート活動が開始したのを確認しています。まさに鈴木さんが創作したコミュニティです。


鈴木

伺っています。素直に嬉しいです。やってよかった。これは僕のビジネスに直結せずとも必ず成果としてどこかで出てくる。そう感じます。冒頭の話に戻りますが経営者レベルの方でアーティストの活動と連携できる、興味がある、そんな人物があと10人、いや5人いるかいないかでこの街も若者が動き出せる環境が整うのかもしれません。アートに対して無知だった自分からの今、この一年の経験を経て強く感じています。


ーそうですね。きっとそういった方々はすでに時代のキーマンになっています。今後増えていく可能性はありますか?


鈴木


大いにあると思います。なぜなら地元密着の人はその理由が地主だったり、2代目3代目だったり。長年の居住と共に地元に力を持っていたりするのです。古い仕来りや考えから脱却できる柔軟性と了見、特に経験があればきっと変わっていくでしょう。その経験を与えるのがアーティストの役割かと感じていますが違いますか?



ーご名答ではないでしょうか。私どもが知るアーティストは感動や考えを共有・経験させる役割を担っています。いわゆる自己中心なイメージとは真逆の、面白く繊細で、傷つきやすいが故に他人を思える人物ばかりです。アート、アーティストの重要性をどう感じていますか?



鈴木

アートやアーティストを取り巻く関係のそれは、商店街や派閥など利権のある繋がりと形成自体違いますよね。お祭りなんかがその役割だったのかもしれませんが今や見る影もない。それなら楽しみや感動の共有ができる繋がりこそが現代的で未来的です。人間性の好き嫌いはどこにでも存在します。そこに焦点を置くのではなく、インターネットやデザインという趣味の世界が無限に選択肢としてある昨今、一つのアイコンとしてアート、アーティストが存在するのではないでしょうか。そういった意味でも非常に重要で貴重な存在ですね。この茨城県、さらには日立市では尚更貴重。本物が少ない割に目立たない。だから少しでも力になり目立たせてあげたい。

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ーなるほど。経営者として結果出されている中で理に叶った説得力です。アンディー・ウォーホールが同じような考えでザ・ファクトリーを設立したことが頭に浮かびました。

ー最後になりますが今後の経営者としての方向性と一言をお願いします。


鈴木

純粋に日々頑張るだけです。何かの力には流されずに自分自身の感覚を信じて行こうと思います。その意味でもアート、アーティストはとても面白く興味深いですね。
僕らはまだまだ若いですがとにかく現状維持は良くないので何かしら変化を意識したいです。


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ーありがとうございました。

Interview@Roost hair desigh / photo by 瀬矢 / ©︎DigitalDish studio inc. 2018.9.26